少子高齢化が進む日本ですが、一部の私立小学校では10倍以上の倍率になるほどの学校もあります。自身のお子さんも高校、大学受験で苦労するよりも早い段階から私立に入れて内部進学をと考えている保護者のかたも多いのではないでしょうか?
最近では小学校入試のための塾も増えていますが、それ以外に家庭教師という選択肢もあります。今回は、幼児教育をするうえで家庭教師にはどういったメリット、デメリットがあるのか、家庭教師が行う幼児教育とはどういったものかなどについてお伝えします。
家庭教師による幼児教育とは?
小学校受験のための幼児教育とはどういったものなのでしょう。もちろん、受講する年齢によっても内容はさまざまですが、基本的には次のようなことを行います。
会話力や語彙力を身に付けさせる
教師と会話をしたり、遊んだりすることでコミュニケーションを取り、そのなかで会話力や語彙力を身に付けていきます。遊びの内容は折り紙やトランプ、紙や糊、ハサミを使った工作などです。
想像力や感性を養う
絵本の読み聞かせや音楽を楽しむことで想像力や感性を養っていきます。また、絵本を聞いた後にどういった話しだったかをカードや絵を使って選んでもらったりもします。
学習するための基礎を学ぶ
椅子に座る、鉛筆を持つ、書く、読むなど、学習するために必要な基礎を学びます。
小学校受験に備えた学習
言葉や数量、図形、記憶、思考、常識などを中心にお子さんの進行具合に沿って授業を進めていきます。また、家庭での過ごし方、願書の書き方、親子面接のやり方など、受験に関する全般のアドバイスも行います。
幼児教育で家庭教師を利用するメリットとデメリット
幼児教育を塾ではなく、家庭教師に依頼するにはどういったメリット、デメリットがあるのでしょう。それぞれを具体的に見ていきます。
幼児教育で家庭教師を利用するメリット
・お子さんの成長に合わせた学習が可能
そもそも、家庭教師はお子さんと1対1で行うため、周りに合わせる必要はありません。特に幼児の時期は、学習への意欲、理解に大きな差があるため、塾で集団で行うとついていけなかったり、逆に飽きてしまったりといったケースもありえます。家庭教師であればそうした心配は必要ないでしょう。
また、ほかのお子さんと比べなくてもよいので、自分のお子さんの進み具合で心配したり焦ったりといった必要がなくなるのも心理的負担軽減という意味で大きなメリットです。
・保護者のかたと話をしながら進められる
塾では、ほかのお子さんもいるため、教師と毎回じっくり話すのは困難です。しかし、家庭教師であれば、相談したいこと、聞きたいこと、お子さんに関する悩みなどをすぐに確認できるため、心配ごとを持ち越すことがありません。
・移動の負担がなくなる
就学前のお子さんが自宅から移動して学習をするとなると、相応の負担がかかります。それは保護者のかたも同様です。毎回、塾へ行くたびにその負担があることを考えれば、教師のほうから自宅に来てくれる家庭教師のほうが、お子さん、保護者ともに負担軽減のメリットがあります。
幼児教育で家庭教師を利用するデメリット
・他者とのかかわりに慣れない
小学校の受験ではペーパーテスト以外に行動観察を取り入れている学校が少なくありません。初対面同士の子どもがゲームやグループ遊びを行う姿をチェックするものですが、同年代の大勢のお子さんとかかわる経験がなくどういった行動を取るか不安が残ります。
・外の雰囲気に飲まれてしまう可能性がある
ペーパーテストも自宅でやる分にはいい成績が取れたとしても、場所を変え自宅以外のところとなると環境の変化についていけなくなる可能性もあります。緊張してしまい、テスト中に席を立ったり、わかっている問題でも急に解けなくなってしまったりといったリスクもあるでしょう。
小学校受験を考える上で必要なこと
幼児教育には正解がありません。なぜなら、お子さんにとっても保護者のかたにとっても最善の選択は一つではないからです。それぞれの家庭の事情、お子さんの性格、保護者の気持ちなどはすべて異なるため、受験が最善の選択である家庭もあれば、公立の小学校を選択するのが最善である場合もあります。
ただし、小学校受験は基本的にお子さんの意思よりも保護者のかたの意思が重要になります。そのため、保護者が決断をしない限り、お子さんも受験に向けた学習を始められません。
そうした意味で小学校受験は保護者のかたがどうしたいのかを決めることが最優先であるといえるでしょう。
幼児教育の決断はそれぞれの判断で
お子さんが小さいうちから受験をすると決めれば、時間をかけてじっくりと準備、学習を進めていけます。しかし、ギリギリになってから決めたとしても、家庭教師であればそれに応じたスケジュールを立て、1対1で向き合っていくことが可能です。
この柔軟性が家庭教師のメリットでもあるため、幼児教育は決断が早いにこしたことはありませんが、遅くなったとしても、慌てずにまずは家庭教師への相談をおすすめします。