「受験対策」「苦手科目の克服」「勉強する癖をつける」など、人によって家庭教師を依頼する理由はさまざまです。
しかし、どういった理由にしろ、最終的な目標は成績向上ではないでしょうか?
保護者の方にとっては、学費を支払って依頼する以上、少しでも成績が上がってくれないと依頼した意味もなくなってしまいます。
ただ、問題は家庭教師に依頼したとしても必ず成績が向上するとは限らない点です。
そこで、今回は家庭教師をつけても成績が上がらない理由とその対処方法についてお伝えします。
家庭教師をつけても成績が上がらない理由
家庭教師を依頼する理由がさまざまなのと同様に、家庭教師をつけても成績が上がらない理由もまたさまざまです。
その中でも主な理由としては、次の3点が挙げられます。
- 個人で勉強する癖がついていない
勉強したことを定着させるには復習による反復が欠かせません。
家庭教師が教えてくれたことを次に来るまでの間に反復し、自分の中に定着させなければ、いつまで経っても同じところでつまずいてしまいます。
これでは先に進めず成績も上がりません。
そのため、家庭教師が来た時だけ勉強し、後は遊んでいるといった状態では、どんなによい家庭教師だとしてもなかなか成績は上がらないでしょう。
この場合、お子さんにも問題がありますが、保護者のかたにもそれと同程度の問題があります。
当然ながら家庭教師は常にお子さんのそばにいるわけではありません。
家庭教師がいない時には、保護者の方ができる限り、お子さんが机に向かえるように仕向けることが、成績を上げるためには欠かせないのです。
- 家庭教師の能力に問題がある
ひと口に家庭教師といっても、ベテランもいればなりたてもいます。
教えるレベルもそれぞれで大きく異なるでしょう。
そのため、残念ながらお子さんの担当になった教師が、能力が足りないといった場合も十分に考えられます。
ただし、能力が高ければよいかといえばそうではありません。
能力の高さと教え方の上手さは必ずしもイコールではないからです。
お子さんの現状に合った最適な教え方ができる家庭教師でないと、なかなか成績も向上しないでしょう。
- 家庭教師との相性が合わない
どんなに優秀な家庭教師であっても、お子さんとの相性が合わなければ勉強に集中できず、成績も上がりにくくなります。
相性が合わないと互いの信頼関係も築けず、教師も本来の力を発揮できません。
その結果、成績向上も難しくなってしまうのです。
家庭教師をつけても成績が上がらない場合の対処方法-1-教師との対話
家庭教師をつけてもなかなか成績が上がらない。
その場合保護者ができる対処方法は大きく2つあります。
1つは教師との対話です。具体的には次の点について話し合ってみましょう。
・宿題を出してもらう
特に教師がいない時には勉強をしない場合は、次回の訪問時までにできる程度の量の宿題を出してもらうように話をします。
復習を中心に少しでも勉強をする癖をつけるよう、保護者と教師で協力し合う姿勢が必要です。
・経過報告をしてもらう
特に問題がある場合ではなくても、定期的な話し合いを行い、お子さんの現状を把握しておくようにします。
教師がいない際にお子さんに勉強を教えるヒントにもなりますし、教師がどれだけお子さんの状況を把握しているかの確認にもなります。
・教師の交代を検討する
話し合いを重ねた結果、教師がお子さんとは合わない、真剣さが足りないと感じたらできるだけ早い段階で教師の交代を検討しましょう。
教師を信頼できず、不安を抱えたまま継続するのであれば、交代してもらったほうがよい結果につながる可能性も高まるでしょう。
家庭教師をつけても成績が上がらない場合の対処方法-2-お子さんとの対話
保護者の方ができるもう1つの対処方法は、お子さんとの対話です。
勉強についてどういった不安があるのか、教師との関係性はどうなのかを話したうえで、次の点を実行します。
・普段から勉強しやすい環境づくりを心がける
テレビやゲームをやりたい時は先に宿題をやってしまう。小さなお子さんであれば、リビングに勉強できる場所をつくり、家族のいる場所で勉強できるようにするなど、ルールや環境つくり、少しでも勉強をするように仕向けます。
・お子さんのモチベーションが上がるような工夫をする
「次のテストで平均点を10点上げる」「成績表で4を3つ取る」など数字で明確な目標を立て、お子さんのモチベーションが上がるような工夫をします。
家庭教師任せにせず、保護者のかたも積極的に関与することが重要
基本的に家庭教師をつければ勝手に成績が向上するといった可能性はそれほど高くはありません。
これは塾であっても同様です。
家庭教師の能力ややり方もありますが、それ以上に重要なのはお子さんが家庭教師のいない時でも勉強する癖がつくようにすることです。
そして、そのためには保護者の方の協力が欠かせません。
家庭教師をつけても成績が上がらなければ、子供か教師の責任とするのではなく、保護者の方も積極的に関与することが求められます。
教師と定期的に話し合いの場を持ち、現状の把握をする、お子さんともコミュニケーションを取り、家庭教師がいない時に勉強ができる環境の整備、モチベーションのアップを心がけるなど、やれることはたくさんあります。
必要以上に口出しするのは問題ですが、決して放置はせず、お子さん、教師と一緒になって考えていくことが結果としてお子さんの成績向上につながっていくのです。