文部科学省の調査によると、大学の進学率は2018年の時点で63.9%(普通科)、27.9%(専門学科)となっています。
この結果から、普通科を卒業している学生の多くは大学進学の道を選択していることがわかります。
ただひと口に大学といってもその種類は多様で、どの大学を選択するかにより、その後の方向性も大きく変わってきます。
そこで、今回は大学受験を控えた高校生が自分の目指す道を決めるためにどの大学を選択するべきか、何を準備すればよいのかなどについてお伝えします。
大学受験、私立と公立、4大と短大の違いは?
冒頭で見た文部科学省の調査では、私立の入学者数は約48万人に対し、公立は約3万2千人と大幅に少ない状況です(どちらも2018年、国立は約9万8千人)。
この結果から一般的には、私立か公立かという選択よりは私立のなかでどういった大学を選択するかが重要になるといえるでしょう。
私立をさらに分類していくと、まず4もしくは6年制の一般大学と2~3年制の短大に分けられます。
それぞれの主な特徴は、次のとおりです。
・4,6年制大学の特徴
基本は4年制ですが、医学、歯学、薬学、獣医学は6年制です。
一般的には学術、理論などの学問を学びつつ、幅広い教養を身につけることを目的としています。
経営、教育、法律、芸術、文学など専門的な分野について深く学べますが、最近では一つに絞らず、さまざまな教養を学ぶリベラルアーツもあります。
・2~3年制大学の特徴
基本は2年制ですが、看護学、医療技術系は3年制です。
幅広い教養を身につけつつも、その先にある就職を見据え、保育、社会福祉、栄養学などの実践力を養うことにも重点をおいています。
大学受験で必要な準備や対策は?
では、実際に大学を受験するうえで必要な準備や対策についてみていきましょう。
大学は高校とは異なり、学部学科によって受験科目も配点も大きく異なるうえ、押さえておくべき範囲も広範囲になります。
そのため、まずは志望校や志望学部を明確にし、そのうえで何をやるべきかを考えなくてはなりません。
最低でも2年生になった時点で、文系もしくは理系のどちらに重点をおいて学ぶかを決めておくようにしましょう。
多くの大学では、高校生を対象に早い学校では2月あたりから学校見学会やオープンキャンパスを実施しています。
目指す大学、学部がなかなか決まらない場合は、こうした機会に積極的に出かけていき、自分の目でしっかりと見定めましょう。
また、2020年以降、新型コロナウイルスの影響もあり、Web上でのオープンキャンパスを実施する大学も増えていますので、これも併せて活用することをおすすめします。
志望校が決まれば後はそれに向かい、受験日から逆算してスケジュールを立てて勉強していきましょう。
特に推薦型を選択する場合は3年生になった時点から始めておく必要があります。
大学受験で塾や家庭教師の必要性は?
通っている高校が進学校の場合、大学進学のためのコースが設置されています。
しかし、そうでない場合は、同じクラスのなかで大学ではなく専門学校や就職を選択する生徒も少なくありません。
そのなかで、大学を目指して勉強していくためには、学校だけではなく、塾や家庭教師の選択が重要になってくるでしょう。
塾にするか家庭教師にするかについては、お子さんの性格や生活環境によって変わってきます。
例えば、近所に高い実績を持つ塾がなければ、保護者のかたが車で時間をかけて送り迎えしなくてはなりません。
そうした場合は、家庭教師を選択したほうが貴重な時間を無駄にしなくてすみます。
また、どちらを選択するにしても大切なのはすべてを任せっきりにしないことです。
塾や家庭教師が来た時だけは勉強しているが、それ以外の時はまったくやらないというのでは意味がありません。
また、成績に応じて学習内容や方針を変えなくてはならない場合もあります。
そうした際に、塾や家庭教師に任せるのではなく、保護者のかたも積極的に話し合いに参加し、互いに納得のいくようにしていくことが重要です。
大学受験は将来の道を決めるための重要な第一歩
大学には高校では学べない専門的な分野について集中して学んだり、多様な人が集まるなかでコミュニケーションを得たりといった多くのメリットがあります。
また、学歴的に見ても就職の際、高卒と大卒では職業選択の幅が大きく異なるため、特にまだ将来の目的が決まっていない場合は大学に行くことをおすすめします。
大学受験は大学で何を学びたいかを考えて決めますが、それと同時に将来何になりたいかを考えて決めるのも重要です。
入る大学により、将来の道が大きく変わる可能性もあるという意味では、大学受験は将来の道を決めるための第一歩となります。
もちろん、何度でもやり直しは可能ですが、貴重な時間を無駄にしないためには、できる限りの情報を集め、後悔のないよう、保護者のかたとしっかり相談をして合格を目指しましょう。