地域にもよりますが、生徒数は減少傾向にあるにもかかわらず、中学受験をする生徒は増加しています。
筆記試験はある程度対策はできるものの、面接試験の対策は難しいと感じている保護者のかたも多いのではないでしょうか?
そこで、今回は中学受験を目指しているお子さんと保護者のかたに向け、面接試験でよい印象を与えるための対策についてお伝えします。
中学受験者の現状
現在、中学受験を行っている小学生はどれぐらいいるのでしょう?
受験者数の正確な数字はありませんが、2020年12月に文部科学省が発表した、「令和2年度学校基本調査」を見ると、公立中学校は前年(2019年)に比べ80校も減っています。
しかし、私立中学は1校増加。
さらに在学者数では、公立中学校で8,908人減っているのに対し、私立中学は2,989人増加しています。
もちろん、全体の数は公立中学のほうが圧倒的に多いうえ、国立中学は999人減少しているため、この結果だけで一概に中学受験をした小学生が増えているとは言い切れません。
そこで、首都圏の中学校限定ですが、首都圏学校情報検索サイト(中学受験版)が発表した、「2021年首都圏中学の入試の概況」。
この結果を見ると、2009年以降は受験生が減少していたものの、2016年に増加に転じてからは右肩上がりで増加を続け、2021年には64,000人の大台を超えています。
つまり、私立中学の生徒数が増えているのは、受験者数が増えていることも影響していると考えられるでしょう。
中学受験はいつから始めればよい?
では、実際に中学受験を目指している場合、いつから準備を始めればよいのでしょう。
もちろんお子さんの学力や受験する学校の難易度などの兼ね合いもあるため、一概にはいえません。
ただ、中学受験の場合、学力を上げる以前に、思考力や想像力を養う必要があります。
勉強する癖をつけてあげる必要もあるため、可能であれば低学年から受験を意識して日常を過ごすのがよいでしょう。
また、面接対策としても、できるだけ早い段階から準備しておくのがおすすめです。
できるだけ保護者のかたとコミュニケーションを取る機会をつくり、「相手の話を聞いて理解する力」「相手の質問に沿った返答ができる力」を養えるようにします。
面接試験がある場合の対策
中学受験では必ず面接があるとは限りません。
学校によっては筆記試験だけの場合もあるため、志望校で面接試験を実施しているかどうかは必ず確認しましょう。
では、面接試験がある場合にどういった対策が必要なのかについて説明します。
まず、最も重要なポイントは、学校側が面接試験で何を見ようとしているかです。
もちろん学校によっても異なりますが、基本的には学校の校風や文化、教育理念を理解しているかどうかを見ています。
そのため、志望校の校風や教育理念は必ず把握しておくようにしましょう。
学校のWebサイトをチェックしてみるのもよいですが、説明会や学校見学会に参加して実際の雰囲気を体感しておくことも重要です。
先生や生徒を実際に見ると雰囲気がわかるのはもちろん、その学校に入りたいという意識も強くなります。
面接で聞かれることは?
面接で良く聞かれる質問は、「志望動機」「受験をしてみての感想」「小学校で得意だった科目・苦手だった科目」「中学に入ってやってみたいこと」「趣味・特技」「小学校時代の思い出」「両親や兄弟のこと」「将来の夢」「通学経路・所要時間」「長所・短所」「ほかの学校も受験したかどうか」「最近読んだ本」「気になったニュースとそれに対する考え」などです。
また、学校によっては、お子さんだけではなく保護者のかたへの質問がある場合もあります。
例えば、「志望動機」「家庭での教育方針」「保護者から見たお子さんの長所・短所」「健康状態」「将来どういった人に育って欲しいか」「日常的にどういったコミュニケーションを取っているか」「学校へ来た際の印象」「家での生活態度、手伝いをしているかどうか」などが挙げられます。
面接で好印象を持たれるポイント
面接で先生に好印象を持ってもらうポイントは、「明るく元気にはきはきと答えること」「志望動機をしっかりといえること」「校風や教育理念を把握しておくこと」です。
先述したような質問に対する回答を練習しておいたほうが本番当日に落ち着いて対応できますが、基本的には、正直で嘘のない受け答えができることが重要です。
自信を持って面接に向かえるよう、しっかりと準備をしておきましょう
中学受験で最も重視されるのは、当然ながら筆記試験の成績になります。
面接試験はどういった生徒なのか、学校に入りたい意思がどのぐらいあるのかを見るものです。
仮に受け答えがうまくいかなかったとしても、それが理由で落とされてしまうことはまずありません。
ですから、焦ったり慌てたりせず、自信を持って面接を受けましょう。
そして、そのためには、普段から親子でコミュニケーションを取り、よい親子関係を保つことが面接で好印象を持ってもらうための最大のポイントといえます。